私はゴールしていた友達と会話していた。 「お前速すぎーっ」 夏が走ってきて私の背中を押す。 「夏やっぱり激しすぎ」 ケタケタ笑うと夏のほっぺが膨らむ。その隣で智絵が笑っている。 「で、タイムは?」 やっぱり仲間といえ、数字というものは気になるものだ。ライバルは特に。 智絵は私をライバルだと思っていてくれた。 もちろん私も智絵には負けたくないという思いがとてもあった。 けれど、中学3年になると智絵と私の間に大きなタイムの差ができていた。