私はほっとしてスタートに立った。 「よーいドン」 先生のスタートの合図に反応して私は真っ直ぐなトラックを走る。 100mを走っている自分はかっこいいと自惚れしてしまう。自分らしくなれる。 自分の気持ちが走りにすべて影響するのだ。今日の自分はやはり調子がいいらしい。 キレイに走れていると感じる。気持ちがいい。 みんなの声援を受けながら私はゴールした。 「14秒25」 先生の声が耳に届く。 思わず心の中の自分がガッツポーズしている。 条件が悪い中ではいいタイムだった。