いない、
どこにもいない、
学校を何周しただろうか、
走り回れば俺を見つけて、向こうから来てくれると思ったが、
来ない… いない…

明日も手紙来るかな?

いや来るだろう、
確信はないが
雨なんだからしかたない、明日にもどうせ手紙あるだろう、

…………………

もし来なかったら?

…………………
「どうしたらいいんだあぁぁぁぁ!!」


「ちょっと、うっさいわね! 今探してる奴居なくてイライラしてんのよっ!」

そいつは曲がり角から来た
長い髪、いや、ポニーテールといった方がいいか

威勢の割には小さい身長
そして、
良く見知った顔

出くわした二人の間には、止まった時間があったが、それを向こうが先に破った

「探したわ!ボケェッ!」
サガシタワ?
誰を?
あぁ、おれの後ろを通った誰かね、
なら、呼んでやるか
「おーい!佐藤ー!!」
ガンッ
「っ痛!?」

「私が呼んだのはお前だよ!!お ま え!」

「おいおい、照れ隠しはよし子さんだぜ? 佐藤だろ?さがしてんの」

「蹴るわよ?」
「ごめんなさい」

「しかし、令二、あんた佐藤って人と知り合いだっけ?」

「ん? あぁ、今適当に名前付けた」