「稀菜?」

視界に、綺麗な顔立ちをした男が

心配そうに自分を覗き込んでいた。

2人は一緒のベットで寝ていた。

女が自分を無言で

見つめてくるので

心配はないとわかり、

ホッとしながら

「大丈夫みたいだね。
さっきまでうなされて
いたんだけど。」

そう言い男は、優しく微笑み

女の柔らかな淡いオレンジ色に

ピンクを少したしたような

サーモンピンク色の髪をなでる。

「うなされていた
だけでしょ、そんなに
心配しないでください。」

そう言うと女、稀菜はベットから

上半身を起こしベットから下りる。

「私、そろそろ
帰ります。奥さん心配
してますよ、きっと。」