『…なんか適当に』
「あ、あぁ」
そんなフリーズした涼に声をかければ狼狽えながらも再び動き出した。
…その間の抜けた顔、ガミさんにそっくり。
『…なんか飲む?』
ずらりと並べられたカウンターの後ろに目配せし、聞いたけれど「俺、車」と一言。
…あ、そっか。
そーだよね。
なんか、学校で会った時にも思ったんだけど翔って1こ上に見えない。
だからかこんな場所にいても浮いてもいなかった。
『…じゃぁノンアルとか?』
「お前と一緒でいい」
翔の言葉を聞いて私はいつも飲むノンアルのカクテルを涼に頼んだ。
涼はまた固まっていたけれど、絶対に私がここに男を連れて来たからに違いなかった。
それもそのはずなんだけど。
会員制のここを紹介した客といえば、珠璃と亜美奈だけなんだから。
…なんか後でめっちゃ問い質されそう。
面倒…。


