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『……っ』
頭がガンガンする。
重たい目蓋を開ければ―…
「目覚めたか?」
『………誰』
見知らぬ人物。
見たことのない男が目の前にいた。
その手に武器らしきものはなく、それにホッと息を吐き出す。
金の短髪が上から降り注ぐ蛍光灯の光に当たり、輝く。
そんな髪とは対象的に、その顔には暗い陰が落ちていた。
「誰か、なんてどーでもいいだろ」
『………』
「俺もアンタも同じ…逃れられないんだよ」
逃れられない?
一体目の前の人物は何を言っているのか…
ただわかるのは、私が拉致されたって事だけ。
だだっ広い薄汚い室内。
鼻につくのは湿気の匂い。
打ちっぱなしのコンクリートの壁に、乱雑に置かれたダンボール。
椅子に座らされた私の手足はその椅子に括り付けられ、自由には動かない。
『……何が、目的…なの?』
私を拉致して監禁する、なんて…
ファンの仕業…?


