「わかったか?」
わかった…けど…
『なんで榎本さんがそんな事、知ってるの?』
私も知らないのに。
ベッドシーツをギュッと握って榎本さんを見る。
「昨日、藤村に聞いた。それに翔からも少し聞いてたんだよ」
まかさの言葉。
え?翔、榎本さんに相談してたって事?
「ま、言いたい事は、アレは嘘って事だ。お前がTVなんか見なければ、明日には消えてたのに」
『…明日には消える?』
「あぁ。杏里の所の社長が事実にしたいらしいが、事実じゃねぇからな。翔は今日散々社長に質問責めにされたらしいぞ?」
『で、事実確認が取れたから明日には訂正するって事?』
「そーいう事だ。…ったく面倒くせぇ。TVなんか見やがって。俺の今日の努力返せ」
榎本さんは掌を私に差し出し「返せ」もう一度言う。
…返せなんて言われても返せるハズなんかなくて、私は榎本さんの掌をパチン!叩いた。
「イテ」
『ねぇ、これって私以外みんな知ってたの?』
「あぁ、知ってたな」
フッとバカにした笑みを浮かべた榎本さんに殺意が湧くけど、彼も私のためにいろいろしたに違いない。
これで、繋がったから。
今日榎本さんが可笑しかったのも、大河が可笑しかったのも…
あのグラスコートでのスタッフの言葉の意味も…
キスした事を許せる気はしないけど…嵌められたなら仕方ないって思わなきゃいけない、よね…?


