【完】白い花束~あなたに魅せられて〜



女子アナの声が消えた事により、静寂が部屋を包む。



…私の静かに泣く声だけになる。



掛けられたのは、バスタオル。
その手触りの良いタオルを頭から取り、見上げれば



『榎本、さん……』



頭から水を滴らす彼は、お風呂上がり…?



「見るなっつってんだろ」



再びTVのリモコンに手を伸ばそうとした私の手を叩いて、ベッドへと座らせる。



その前に跪いた榎本さんは、私の流れる涙をスッ指で拭う。



『………』



言葉が、出ない。



「あの女、やってくれるな」



はぁっとため息を吐いた榎本さんは、前髪をかきあげて、私の隣に座り直す。



あの女って、杏里ちゃん…だよね………?



『榎本さん、何か知ってるの?』



その口振りからは、そうとしか思えない。
やっと涙の止まった顔を榎本さんに向け、ジッと見据える。



「…先に言っとくけど」



チラリと私を一瞥して、タバコに火を点ける。
その動作1つ1つに意味がある気がして、身構えてしまう。



『………』


「翔は嵌められたんだよ」


『………嵌め?』


嵌められた?