【完】白い花束~あなたに魅せられて〜



「…―正に美男美女のカップルですね」


「そうですね。やはりドラマがキッカケなんでしょうか」


「どうなんでしょうかね。でも人気のお2人だけに、ショックを受けた人達も多いでしょう」


夕方のワイドショーの再放送。



今、人気の女子アナと芸能通という男。



貼り付けた笑顔のまま、女子アナがクリップボードに視線を向ける。



『……な、んで』



TVの前に突っ立って、目を見開いてそれを見るしかできない。
何が起きたかわからない。



―わかりたくない。



週刊誌の切り抜きだろうか。
クリップボードに拡大されて、貼り出されているのは―…



紛れもなく翔。



私の、愛する人。



そして、その翔の肩に腕を絡めているのは―…



杏里、ちゃん。



その唇は、確かにくっついていて―…



ポタリ、



生暖かいものが頬を伝う。