【完】白い花束~あなたに魅せられて〜



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『ん…』



ひんやりとした肌寒さに目が覚める。
少し気分が悪い気もするけど、きっと気のせいだと思いたい。



見覚えのある部屋は、私が宿泊する部屋で、開きっぱなしのカーテンからはまだ夜だという事が伺えた。



いつ、戻ってきたんだろうか…?
それにグラスコートに行く前のワンピースは着てなくて…いつ着替えた…?



目を瞑り、記憶を手繰り寄せるも―…



ダメだ。



頭痛い。



『寒…』



ベッドから起き上がり、空調を切る。
携帯を確認して見れば時刻は深夜2時。



真夜中だった。



9時前に送った翔へのメールの返事は、なかった。



まだ、仕事中―?



携帯片手に部屋をうろうろと歩き回り、何の気なしに点けたTV。



理由はなかった。



普段点けないTVを点けた理由は、ない。



点けなきゃ良かった、なんて





今更。
もう遅い。