【完】白い花束~あなたに魅せられて〜



『大…「飲んでるか〜?」』



私と大河の間に割って入ったのは現地スタッフの1人。
両手にお酒を持って現れた。



スタッフの向こうの大河はどこかホッとした表情を浮かべていて、やっぱり何かあるんじゃないかと不安になる。



大河はスタッフに泡盛を強制的に飲まされて、さっきの榎本さん状態。
だけど彼はやっぱりお酒に強いのか、顔色は全く変わらなかった。








そんな餌食になる姿を見ていたら、真後ろから掛かった不機嫌な声。



「おい」


『……榎本さん、』



顔が赤くなった榎本さんは、顔色以外は至って普通に見えた。



「お前助けろよ」



私の隣に腰掛け、オレンジジュースを飲む榎本さんは、はぁっと溜め息を吐く。



…そんなに嫌なら逃げればいいのに。
最初私にあんな態度でいたくらいなんだから、逃げるくらい朝飯前でしょう。



思ってても口にはしないけれど。



『…飲みすぎたら、ガミさんみたいになるよ』


「ならねーよ」



ハッ乾いた笑みを浮かべた榎本さん。