それから2時間。
気付けば私は寝ていたらしく、目が覚めれば榎本さんの姿はなかった。
すっかり日も落ち、暗くなった那覇市内の夜景がカーテンの隙間から見える。
ゆっくり起き上がりまず目についたのは、テーブルに置かれたメモ。
“スタッフに呼ばれた。起きたら速攻でB1グラスコートに来い”
なんとも榎本さんらしい文体に少し笑いながらも、字は綺麗なんだな、と思った。
速攻なんて榎本さんにはわからないはず。
少しベタついた身体が嫌で、シャワーを浴びて部屋を後にした。
ホテルの廊下はシンとしていて、あまり人気がない気がする。
そういえば翔に連絡をしていない事を思い出し、電話してみたけれど翔は電話には出なかった。
多分、まだ仕事中なんだろう。
私は翔に“今から榎本さん達とプチ打ち上げだから”と送りエレベーターに乗り込んだ。


