【完】白い花束~あなたに魅せられて〜



「何笑ってんだ?」


『ううん。翔が来てくれて嬉しい』



笑う私を訝しげに見る翔の腰に腕を回して、暑いなんて忘れて抱き付いた。



「ごめんな」



片手で私の髪を梳きながら、もう片方の手で背中をリズムよく叩く翔に、胸がキュッとなる。


好きが溢れる。


「泉が何言ったかは知らねぇけど…」


『謝らないで』


「え?」


『翔は何も悪いことしてないでしょ?だから謝らないで』



下から見上げれば一瞬、戸惑った顔をした翔だけど、すぐに元に戻って「そうだな」言って強く抱きしめてくれた。