「仁菜」 『何?』 「…寝るか?」 遮光カーテンで気付かなかったけど、時計を見ればもう朝7時30分で、すっかり日が登った後だった。 今日が土曜日な事に感謝したい。 …だって学校だったらガミさんに強制連行されちゃう。 『…ん。翔は今日仕事は…?』 「昼から。仁菜は?」 『私もお昼から…ってきゃぁっ』 勢いよく立ち上がった翔にそのまま抱きかかえられて、ベッドルームに連れて行かれた。 部屋に入ったらやっぱり翔のシトラスの匂いがして、安心する。