『…でもさ?なんだっけそのアイドルグループ…』
ガミさんから聞いたんだけどなー…なんか英語だったんだよなぁ…
確か、か…かる…
「Quartet?」
『…そう、それ、カルテット。そのアイドルグループさぁ、デビューとドラマかけるってなんでそんな事すんのかなぁ?こっちはいー迷惑だよ…』
…暗記苦手なんだけど。
はぁと溜め息を吐いた私と一緒になって、図書館までの道を歩くちひろは、私と一緒にサボりたいんだろうか?
「話題性はもちろんだけど、カルテットってデビュー決まる前から人気あったよ?ほら、なんかバックダンサーとかしてたらしいし?」
ぺらぺらと話すちひろにちょっと呆気にとられた。
…やっぱ詳しいね…
ちひろはこの世界に入るのが夢だって初めて会った時言ってたな…
夢も希望もない私なんかが売れるより、ちひろみたいな人が売れればいいのにね…
「……仁菜?」


