【完】白い花束~あなたに魅せられて〜



「仁菜はラブバードに似てるな」


『…ラブバード?』


「そう。好き嫌いがハッキリしている鳥」



好き嫌いがハッキリ…?
してるのかな…私。



自分じゃ、そんな事わかんない。



「その鳥は好きな奴と生涯添い遂げるんだ」


『へぇ…』


「嫌いな奴は噛み殺すくらいだけど、好きな奴が死ねば自分も死ぬくらい、愛情深い鳥。だからラブバードなんだ」


『…なんで私がそんな?』



気性の激しい鳥に似てんの?



その言葉は料理を運んできた店員により遮られた。



テーブルに並べられる、サラダ、スープ、メイン…



その量だけで、お腹いっぱいになりそう…



「ま、そんくらい仁菜は寂しそうな顔してたよ。今日」



プッと思い出し笑いをした翔に恥ずかしくくなる。



だけどそれは本当の事。



だから私は「寂しかった」と素直に告げたんだ。