【完】白い花束~あなたに魅せられて〜



夜の町は露店で賑わっていた。


「チョットミテヨー」



片言の日本語で店員さんが夜道を歩く旅行者に話掛けている。



『…すごいね』


「あぁ…」



翔はサングラスをかけて変装。
とは言ってもみんな、それぞれに楽しんでいるからか、他人になんて興味がない様だったけど。





『…ここ?』


「そう」



連れてこられたのはお洒落なレストラン。


日本人客があまりいない様に感じる…



翔は白人のウェイターさんに英語で何かを話していて。



やたらとネイティブな発音。



『…英語話せるんだ』


「あ?話せるって程じゃねぇよ」



席に案内されながら言えば、翔は苦笑いを浮かべていた。