前を向いている…


気付く……?


私は本当は分かってた。

分かってたけど、認めたくなかった。


認めたら、また報われないような気がして。


だからこそ今までは受身な恋愛ばかりで。



積極的にいったら、見事玉砕したし。



「はい、これ」


渡されたのはさっきのクッキーと同じ物だった。



「あ、ありがとう……」


「食べると、元気でるよ!」


「…うん」


さっきも、元気をもらった。

少しだけ、少しだけでいいから貴方とお友達になりたいって正直思ってしまったのよ。



「また、クッキー頂戴ね。……ご飯一緒に食べるから。

――涼子ちゃん」




「!!!

……か…ううん。瑠璃ちゃん。
ありがとう頑張ってね」


一瞬目をまん丸にした後、彼女は目を細めて笑った。