「か、可愛い……可愛すぎるわ、瑠璃ちゃん。ツボすぎ、俺白旗あげるよ」
よく分からない冗談を言って、先輩は左手をあげる。
「……変な先輩」
ホント、そう。
――さっきは、すぐに私と別れたくせに、またこうやって私の前へ現れる。
……別に嫌じゃない……んだけど、掴みどころがなくて……ヤダ。
雲みたいにふわふわしてて、それでいて、何を考えてるのか分かりづらい。
先輩って…私をどうしたいんだろう……?
いや……
私は先輩をどうしたいんだろうか?
…って!私ってば、また変なこと考える。
あ~……、さっき甘いクッキーを食べたせいかな。
そうに決まってる。
だから、なんか……こう…頭が恋愛にいっちゃうっていうか…。
あ、でもだからって、先輩と恋愛したいわけじゃ全然なくて!!

