「麻友、柏木さんに変なコト言ってない?」
「言ってるわよ。ものすごーく、迷惑」
私がそう言うと、彼女は少し苦笑を零した。
「……あの子さ、本当は貴女と仲良くしたいのに、どうすればいいか分からなくて…だから――」
「分かってます。――あの人が不器用なのは、誰が見ても一目瞭然。…でも、だからと言って、それを免罪符にされても困るわ」
私はため息混じりに言った。
「そうだよね……、麻友は柏木さんの気持ち無視してると思う」
――え?
この女、アイツの親友、じゃないの?
「あ、勘違いしないでね?麻友の悪口とかじゃないの」
私が怪訝そうな顔をしたからなのか、彼女は慌てて言いなおす。
「――麻友はさ、真っ直ぐすぎて、周りが見えない時が多々あるから……。
柏木さんにとっては、好きだった人の彼女じゃない?あの子、それが吹き飛んじゃってるのよ、一生懸命過ぎて」
――意味分からない。そんなの言い訳になんない。
この女も黒髪ツインテール女の言い訳をしにきた、ってコト?
つくづくウザイわね……。

