本当はすごくすごく嫌だった。


本当は嫌って瞬に言いたかった。

だけど、


言えなかった。





こんなんじゃ、
私…瞬に愛想尽かされるかな?

こんな素直じゃない女…


嫌って思われちゃうのかな?



……ヤだな……。



私が回り道しながら、家に帰ってると、
後ろから頭をポンと小突かれた。


「!?」


後ろを振り向くと、



「お前、可愛くなさすぎ」



瞬が息を切らしながら、
笑ってた……。


「…瞬…」

「なんなの、お前。さっきの」



そう言って、瞬は私の頭をクシャ、っと撫でた。
そんな何気ない仕草が私の心をかき乱す。


「……なんもないもん」


私の悪い癖がまた出ちゃった…。


素直に自分の気持ちが言えない。



「嘘つけ。顔が泣いてたし」


「う、うそぉ!?」


「ウッソー」



瞬はハニカミながら、
私をそっと抱き寄せた。