「桐山…さん?」
「う、ううう」
さっきから私『う』しか言ってない。

「桐山さん、大丈夫ですか?」
「う、う、うううう、うわぁぁっぁあぁああああぁぁっぁぁぁぁああぁぁぁ!!!」


五十殿君やみんなが驚いて私を見る。
私は半泣き状態になった。
「え、桐山さん!?」
「こっち見るなぁぁぁっぁぁぁぁぁあああぁぁあ!!!」





気が付けば私は走っていた。ドアの近くにいたジョニーを蹴飛ばした。
「俺が…何をした…。」そう言ってジョニーは倒れた。
「燃え尽きたよ…真っ白にな…。」「ジョニィィィィイイィィィィィィイイィイィ!!」
という声が聞こえたのは気のせいだ。うん、気のせいに決まってる!!


私は振り返る人たちなんか気にせず走ってトイレに向かった。
【廊下は走っちゃいけません】なんて張り紙をスルーした。



「初めてだ…こんなに心臓がドッキドキ鳴って顔がこんなに赤くなるなんて…。」
五十殿君は…イギリスでもこんなこと…手にキスしたのか…?
五十殿君には当たり前かもしれないけど、私にとったら当たり前ではない。




…文化の違いって怖いな…。
私はトイレに着いたのでトイレに入った。
涙が出てきてしまった。幸い、誰もいなかった。
よかった。こんな姿誰かに見られたらもっと泣いてしまうだろう。


「顔…洗うか。」

私は蛇口をひねって水を出した。



ビシャッ
…最悪だ。どんだけ厄日なんだ。
良くあるパターン。顔に水が見事かかった。

「…冷たい…。当たり前か。」