相変わらず女子が怖い。こっちみんなって。
ついでに男子(特にジョニー)こっちみんなって。
五十殿君はこっちを向いた。
うわ~近くで見るとやっぱりきれいだな~…。
うん。やっぱりハーフなだけある。
目の色も透き通って宝石みたいだ…。
私は一応礼儀として本を机にしまった。


「桐山さん初めまして。五十殿はやてです。」
「うん…あぁ自己紹介見たから知ってる。私は桐山琴音だ。」

「ちょっと何よあんな愛想のない挨拶!」「ごじゅうとのが話しかけてんのに!」
色々女子がぶつぶつ言ってるが細かいことは気にしない。

「日本に来たの初めてなんですよ!色々日本のこと教えて下さいね!!」
「時間があれば構わない。そういや五十殿君教科書持ってるか?」
「それがまだ届いてなくて。」
「じゃあ私の見せるから。」
「ありがとうございます!桐山さんは優しいですね。」
「当然のことをするだけだ。」

「あいつじゃなくて私が見せたい!」「私五十殿君の近くなのに~!!」
また女子の声が聞こえた。五十殿君に毎回授業で移動はきついだろ…。


「そういやなんで私なんだ?ジョニーやマイケルでもよかったと思うけど。」
「ジョニーやマイケルじゃなくて、あなたがいいんですよ。」
五十殿君はまた笑う。
私はその言葉を聞いて恥ずかしくなった。
顔が多分赤くなったと思う。隠すために窓の外を見た。
「なんであいつなのよぉ!!」
「なによあれ!桐山黒魔術でもやってんじゃない!?」


「最初は不安でしたが、このクラスで安心しました。」
「まぁな。このクラスはお笑い担当がいるから明るいんだ。」


「本当にこのクラスはいいですよ。」と言って五十殿君は私の手をとった。
「え、何。手相でもみてくれるのか?」