「・・・ここ?」

「ああ。嫌なら帰っても・・・。」

「ううん。入る!入ろう!!」

私は、勇気を出して暖簾をくぐった。

孝太郎が私を連れてきた場所は駅前の居酒屋だった。

煙草の煙、湯気、焼き鳥を焼く時に出る煙などが店内に充満している。

空気がすごく悪い。

息苦しい。

女性客なんてほとんどいない。

帰りたい・・・。

「片瀬、こっち。」

私は、孝太郎に手首を掴まれ、カウンター席へいく。