「わたしがどんなに父親失格だろうが…裕太と朱音は、わたしの子どもだからだ。わたしの…息子と、娘だからだ」
お父さんの背中を見つめた。
その背中がふいに滲んで、あたしは思わず俯く。
掌を、ぎゅっと力強く握る。
「大切なものが道を踏み外していて…放っておく親は、いない。二人がこれ以上罪を重ねないでくれるなら、恨まれることなど…」
ワインがグラスに注がれる音がした。
下唇をぎゅっと噛み締める。
「今更何を」と、言いたかった。
でもどうしても言えなかった。
大嫌いだったお父さんの震えた言葉が、あたしの胸を締め付けた。



