「う…っ」


朝の空気は澄んでいて、痛いほどに澄んでいて、あたしの慟哭を嫌がることなく包んでくれた。

誰もいない朝。
何もまとわない、そのままのあたし独りで、躊躇うことなく泣き叫んだ。


後悔なんて言葉じゃ追い付かない。

どんな未来が待っていようと、あたしは裕太の側にいたかった。

どれだけ願っても、もう遅い。



『愛してる』



その一言だけをあたしに残して、裕太はもう行ってしまった。

あたしのいない先へ、行ってしまった。


これからどう生きていけばいいのだろう。

世界一愛しい人を失って、あたしはどう生きていけばいいのだろう。


裕太のいない世界なんて、世界なんかじゃない。


それが当たり前の世界だというのなら、あたしはそんなものいらないと思った。


それがどれだけ間違えてようとも、今のあたしにはそれ以上もそれ以下もないのだ。



…ごめんね、裕太。

あたしの幸せは、やっぱり裕太の側にいることだった。


裕太がいなきゃ、あたしはどんな幸せも幸せととらえられないの。


裕太の最後の強がり、叶えてあげられなくてごめんね。