目を開けて、朝の景色を目に焼き付ける。
まだどこかモノクロの海岸。
白い優しい水しぶきと、粒子の細かい柔らかな砂浜。
昨日の夜は見えなかった水平線が、もうはっきりと見てとれる。
時間は流れる。
優しい時は、永遠には続かない。
すっと息を吸い込むと、朝の潮風が肺に入って身体中を循環した。
昨日の煙草の煙があたしの体内から消えてなくなる様な気がして、思わず息を止めたくなる。
朝日はあたしの目に染みることなく、ただ優しく昇り続けていた。
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