もどかしい気持ちをどう伝えればいいのかわからなくて、あたしは裕太の手を握った。 少しでも伝わる様に。言葉なんかよりも確かな体温で。 風が少し出てきた。 握った手を、裕太が固く握り返す。 こんなにも力強く握り返す裕太を、あたしは今初めて知った。 それは切ない程に、痛かった。