…頭は妙に、冷静だった。 梨華さんはあたし達のお姉さんみたいな存在で、多分、一番あたし達の気持ちに敏感で。 そうだよね。気付かないわけないよね。 裕太が振り向いた。 二人の目があった。 多分、二人の目に映る未来は同じだったと思う。 思った。 ああ、あたし達は、二人で地獄に堕ちることさえ赦されない。 そして、知った。