ホタル



「…ふ…っ」

苦しい。
胸の鉛が、首筋の赤い跡が、苦しくて苦しくてたまらない。



…裕太を巻き込まなければよかった。

あの時、どうしてあたしは抑えられなかったのだろう。

どれだけ辛くても、どれだけ苦しくても、あの時裕太を好きだなんて言わなければよかった。

例え裕太の想いを踏みにじってでも、あたしはこの想いを殺し通すべきだったのに。




…幸せを知らないままだったなら、罪はこんなに苦しくなかった。