…選択肢は、なかった。 あたしには、拒否することができない。 目をそらしても仕方ない。あたしと裕太は、罪を犯した。 罪を犯せば、必ず罰は待っている。それを承知で、あたしは越えたのだ。 これが、その代償。 「…放課後、教室で待っててね」 平岡君の声が、あたしの脳裏をかすめた。 虚ろな目のまま、あたしは軽く頷く。 どれも事実だ。 あたしが裕太と罪を犯したことも、平岡君を傷つけたことも。 目をそらせない、事実だったのだ。 あたしは、赦されてはいけなかった。