あたしは何度も自分の運命を呪った。なんで裕太は弟なんだろうって、何度も何度も。
今あたしが言ったことも、多分半分は合理化だ。どんなに考えても、裕太が弟なんかじゃなかったらという考えには勝てない。
でも、あの頃の裕太の側にいれたのは、姉であるあたしだけで。
それが少しでも裕太の傷を癒していたのなら、少しでも裕太の支えになれてたのなら、あたし達が姉弟に生まれてきた意味はあった。
どんな形であれ、裕太を守りたかった。
「…朱音はいつも、俺の側にいてくれた」
ふいに裕太が口を開いた。あたしは視線を上げる。
「いつもこうやって、頭撫でてくれてて。俺…すげぇ、安心した。…1人じゃない、朱音がいるって、いつも思えてた」
それはあたしも同じだった。裕太がいる。裕太は絶対、あたしを1人にさせない。
裕太の手が止まった。それはそっと、あたしの頬まで降りてくる。
「…今度は俺が、守るから」
裕太の声は、今までのものとは違った。それはとても真剣で。眼差しが、闇の中であたしを捉える。
「俺が朱音を守る。どんなことからも、絶対。絶対朱音を…1人にさせない。…約束する」



