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結構な時間お風呂に入ってた気がする。さすがにのぼせかけたあたしは、未だ冷静になれない頭を抱えてお風呂から上がった。
外は豪雨。裕太が言ってた雷が気になる。
バスタオルで火照った体を拭いている時に、ふと気付いた。
一瞬で体が冷える。
…あたし、着替え持ってきた?
急いでカゴの中を確認するが、持ってきた記憶もないのであるはずもなく。さっきまで着てた服は既に洗濯機の中で、優雅にガコガコと泳いでいた。
我が家のしきたりで下着用のタンスが脱衣場にあるので、不幸中の幸いか、下着はある。
バスタオルを巻いたまま、混乱したあたしはその場をうろうろするしかなかった。
いくら家が広くて鉢合わせする可能性が低いとしても、こんな格好で部屋まで行くわけにはいかない。
ましてや裕太のことだから、多分あたしがお風呂から上がるまで台所で待っていてくれてるだろう。
キッチンの前を通らないとあたしの部屋には行けないから、こっそり戻るなんて不可能に近い。



