ホタル


…結果あたしは、冷静さを失った。理性なんかない。あるのは衝動と、欲求だけ。


『呼んで。朱音って呼んで。』


…目を閉じると、そこには裕太がいた。


平岡君の気持ちを踏みにじった気がして、裕太自身を汚してしまった気がして、

あたしはただ、自己嫌悪に苛まれていた。


こんな自分、嫌い。


いなくなってしまいたいくらい、嫌い。


…嫌い。








……………