契約恋愛

「智紘君…私……」



「分かってる。真紘を好きなのも、全部含めて好きなんだ」



真剣な目に、私は何も言えなかった。



こんなに私を好きだといってくれる人は、きっと他にはいないだろう。



でも…―――


「ごめんね、私は真紘が好きなの。だから…」



「それでもいい」



「え？」



「真紘のこと好きなままでいいから、俺と付き合って」



―――――ッ



智紘君の言葉に、涙が出た。



どうしてこんな私に、そんな言葉をくれるの？



嬉しすぎて、涙が止まらない。



神様、



私は彼を好きになったほうが幸せになれますか？