「本当だって。おかげで、茜にブン殴られたんだけど…」


……そう。
私が太陽くん、と呼んだ直後に確かに本人が言った通り躊躇した場面があって。
その瞬間を狙ったかのように、茜ちゃんは般若のお面をかぶって相沢くんの頬にキスをして、ブン殴った…じゃなくて、グーでその頬を殴ったのだった。



「……って、そんな話はよくて!!
今度からは、ちゃんと太陽、って……あぁ、でも太陽くん、のほうがなんかちょっとこう、女の子っぽいしいいか…」


突然、自分の世界に入ったかのようにブツブツつぶやき始めた相沢君に小首を傾げていたら。


「たいよぉおおおお!!!」

「「!?」」


びっくりしすぎて、身体が10センチ飛び上がる。
声のする方向をみてみたら、すごい形相で相沢君を睨みつけている茜ちゃん。
……と、その後ろで女の子たちに囲まれている如月君が。