「……で、どうする?
いっぱいありすぎてわかんないし、ちょっとあの子たちにおすすめ聞いてこようか。」
と言って、相沢くんが指差す方向に、同じくらいの女の子たちがキャイキャイと騒いでいる。
……ちょっと前の記憶のせいで、ビクッと体が強張ったのが手が繋がっている相沢くんに気付いていない事を願って、コクリ、とうなずいた。
「じゃあ、そこで待ってて。……あ、聖と茜見えたらすぐに隠れるんだよ。」
片目をつぶって見せた相沢くんは、手を解いて女の子たちの元へ"行ってしまう"。
……あれ?
なんで、こんなにさびしい気持ちになるんだろう。
女の子たちに、聞きに行ってくれるだけなのに。
不可解な自分の気持ちにグルグルと頭の中で考えていたら、ふと、視界が陰ったのに気付いた。
ゆっくりと、視線を上げるとそこには、3、4人の制服を着た男の人たちが。
女の子でないことに安堵しつつも、何だろう、と首をかしげる。
「ねえねえ、君、一人?」
「暇ならちょっと遊ばない?」
「あ、あの……」
周りを囲まれ、目を合わせるのがなんだか怖くて、視線をさまよわせる。
連れがいるんです。
そう、言いたいのに体の芯から熱が奪われていくように、震えて声が上手く出ない。

