まいひーろー

「はいー太陽の負けー。」


「あああぁぁぁぁ……」


しゃがみ込んでゲーム機にへばりつく相沢くん。
無料券を一人一枚ずつ使って、おかしを落とすゲームで一番落とせなかった人がみんなの分のジュースを買う…ということだったのだが。


見事に０個の相沢くんに決定となった。


「どれがいいのぉー。」


見事に沈んだ相沢くんに、容赦なく茜ちゃんと如月君は


「「一番高いの」」


「お前ら鬼！！！！」


見事なハモりっぷりに相沢くんは涙目で訴える。


「………蕾は？」

「わ、私はなんでもいい、かな、」


なぜか、涙目+普段と違うギャップで妙に艶だって見える相沢くんに心拍数が上がるのを感じつつトギマギながら答えた……ら。


……なんで、手を繋ぐんですか？


「……じゃあ、一緒に行こ「行かんでいい。」


きっぱりと茜ちゃんに言われ、おまけに繋がれた手も一刀両断のごとく断ち切られて。




「なんで茜はいつも……」


ブツブツと不満げに呟きながら、遠くの方にある自販機に向かってトボトボ歩く相沢くんを見守った。