「あ、あああ相沢くんっ………!」


耳で吐息を感じて顔が赤くなった。
そして、相沢君が後ろから抱きつくような格好になってると知ってなおさら顔が熱くなっていく。


「いいかげんにしろ。」


ご機嫌な相沢君に釘を刺すような声が聞こえてくると、背中の重みが消えた。
気になって後ろを振り返ってみると


「あっ………」

如月君が相沢君の首根っこを掴んで引き剥がしてくれたみたい。
と、如月君と目が合う。


「ちょっ……なんで聖と蕾ってばなんでときたま見つめあったりしてんの。」


私と如月君の間に立つ相沢君はブーブーと文句をたらす。

えっと……見つめ合ってるっていうか……如月君はたぶん私のことじゃなくてただ単にボーっとしてるだけだと……



「はーい、とりあえずみんな座って座って。」


広い室内の中、茜ちゃんの声に各自壁際に並ぶ椅子に座っていく中、私はと言えば左隣に相沢君、右隣になぜか如月君が座っていて。


…………ちょ、ちょっと男の人が両脇に座ると緊張しちゃう…。



と慌てている私の反面、茜ちゃんは椅子には座らずテキパキと仕切っていく。


「よし、とりあえず太陽、アンタ一発なんか歌え。」


「えー俺蕾の隣にいたいー。」


「文句言うな。
いっつもは俺が最初に歌うとかいってうっさいくせに!」



といって無理やり相沢君を立たせて前へ押しやっていく。