「どした?」


「これ!さっきの調理実習の時に作ったの!
お腹すいてたら食べてよ!!」


「まじで!?
超うまそーじゃん!ありがとー。」


「あはは、今食べんの!?」


「こんなうまそうなのにもったいないじゃん。
焼き立てでしょ?あったかいし。」


「そうだよー。だって家庭科四時間目だったもん!」


かわいらしくラッピングされた袋を受け取って、すぐに開ける相沢君。
そして、中からクッキーを取り出しパクリと口に運ぶ。


「うっま!
坂木って料理上手かったっけ?」


「中学のときよりかは上手くなりましたー。」





「相沢君ーー!!料理実習で、クッキー作ったんだけど貰ってくれない?」

「私も私も!!」



しばらく坂木さんという子と相沢君が話しているのを聞いていると、同じくして相沢君の呼ぶ声がし、またたく間に今度は女子に囲まれる。



「ありがとー」や「うまそー!」なんて言っているのを聞きながら、あたふたとその場で立ちつくす。


私って明らかに邪魔だよ、ね。
場違いなのを感じ、パッと思いついて慌ててその場を立ち去ろうとした時。




耳元にカサリ、と音がした。