…
「え?俺の得意教科?」
「うん、そう…茜ちゃんから聞いて、気になってたんだけど…」
放課後、いつものごとく勉強しようと私たちは図書室までの廊下を歩いていた。
テスト休みのせいかいつも聞こえてくる吹奏楽部の楽器の音は無く、二人分の足音だけが響いていた。
「あぁ、そうなんだ。
得意教科ってって言っても副教科なんだけど……」
…ってことは、
「家庭科とか?」
「ううん、保健体育。」
「太陽くん、保健得意なの?」
保健が得意教科っていうのも珍しいよね…?
「そうそう。
なんか俺、勉強しなくても保健だけは昔っから満点なんだよねー」
「満点っ!?」
そ、それは…うらやましい限り、だけど…
「なんで保健……?」
「さぁ……記号問題ばっかりだからじゃない?」

