…
「へーぇ。仲のよろしいことで。
それから毎日送ってくれてんの?」
「う、うん…暗い中一人は危ないから、って…」
「ほぉー。
私の時はそんなの一回もなかったけど。」
テストまで、あと三日を残した昼休み。
あれから毎日放課後は図書室で勉強して、夜は太陽くんに送ってもらうというのが習慣となってしまっていた。
四日間毎日勉強してるかいあって、太陽くんも大分勉強中の質問が少なくなった。
……代わりに、「うー」とか、「あぁぁぁ…」なんてうめき声が時々隣から聞こえてくるけど。
「え!?あ、でも、…」
「や、蕾。今のからかっただけだから。
別に全然ひがんでるわけじゃないよ?」
「あ……よかった、」
「あはは、たまに蕾も天然でるよねぇ。」
天然は、私じゃなくて太陽くんです……。
「いま、太陽のこと思ったでしょ?」
ギクリ。
「まぁ、アイツはもう蕾と違う意味で天然記念物だから…」
そういって、呆れながら茜ちゃんは窓からグランドで走っている太陽くんを見る。
太陽くんは部活休みだからと言ってここ最近の昼休みはいつもグランドに出ていた。

