「びっくりしたぁーあんたいきなり蕾の方抱き寄せるんだもん。
太陽もすごい驚いてたよ。」
「あぁ………」
「……ちょっと、あくびしないでよ。
まだ出番残ってるんだから。」
やっと、私も舞台裏で待機するシーンになった。
舞台では太陽くんが、森で出会った白雪姫に恋をして回想するシーンをやっている。
「……ね、蕾?」
「え、う、うんっそうだね!!」
「ほらぁー蕾もビックリしたって。」
あ、え、え?
すごい演技がうまい太陽くんを見ていたら、横から名前を呼ばれて適当に返事をしてしまった。
声のする方向を見たら、茜ちゃんと如月君がこちらを見ている。
「良いだろ、そういう設定なんだし。
てか、蕾すごいいい香りした。」
「そういう話じゃないわこのマイペース!」
「…………」
ボッとまた顔が熱くなる。
如月君も太陽くんも、話してたら身が持たないよ。

