まいひーろー





カキン!カキン!


「すぐに立ち去れ!二度と姫の前に現れるな!」


「ひ、ひぃー!」



剣士役の人が、舞台そでに逃げていく。

それを見届けて、



次は、私が立ち上がってセリフを言って………


「っ!?」


と、スカートのすそを踏んでしまったせいでバランスが取れなくなり、私はー……



キャァァァ!!

ヒューヒュー!



「大丈夫ですか、姫。御怪我は?」


「だ、大丈夫です。ごめんなさい」



思わず、太陽くんに抱き着いてしまった。


それでも、太陽くんは私をしっかり抱きとめて、ごまかしてくれる。


『それは、西の国の王子様でありました。』


ナレーションの声で、太陽くんは口を開く。


「ここは危険です。
この道の先に、木でできた家があります。
あなたは、そこにお逃げなさい。」


「で、でも私は城に帰らないと……」


「城に帰っても、また剣士に命を狙われてしまいます。」


「……わかりました。」



『白雪は、王子のいうとおりまっすぐ、まっすぐに道を進んでいきました。
すると、ある一軒の小屋が見えてきたのです。』