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『太陽、答えろ。』
『ワタシ日本語ワカリマセーン。』
『安心しろ。これは数学だ。
そして数字は全世界共通語だ。』
『ワタシ宇宙人デース。』
『…………』
黒板に書くには不自然すぎるほどに、チョークを上に掲げる。
……あのまま振りかざせば確実に相沢君に当たるだろう。
『あーウソウソ!!
日本在住15才何事にも真剣に取り組む純情少年です!!』
『………』
『イッタァーーー!!』
……というやり取りを問題が相沢君に当たるたびにしていた。
まだ、転入して初めての授業だというのに、クラスの雰囲気がわかった気がする。
前のクラスを陰湿な、日陰とするならば
このクラスは笑顔の溢れる
ポカポカと気持ちいい、日向みたい。
窓側の席でポカポカと当たる太陽の光にあたりながら、心の底から暖かくなるという初めての気持ち。
そんな気持ちを抱きながら、私は相沢君を見ていた。

