昔々、あるところにイジワルなお后様がいました。
そのお后様は大層美人だったそうで、世界で一番、美しかったそうな。
そのお后様には子供がおりました。
しかし、血はつながっておりません。
前の、お后様の子供でありました。
お后様は、その子供のことが好きではありませんでした。
その子供も、大層美しかったからです。
しかし…
「鏡よ鏡、世界で一番美しいのはだぁーれ?」
「それは、お后様でございます。」
世界一美しいのは私。
魔法の鏡で毎日のように聞いていたお后様は、その事実から子供にもあまり固執しませんでした。

