まいひーろー


体育館について、一番最初に会ったのは幸か不幸か、金髪の彼。


「あ、蕾、いた!!
遅い……じゃ……蕾?」


「あ~太陽ってば口空きっぱなし。」


「…………」


もう~いつもとなんだか違う事に恥ずかしい。
そんな私を知ってか知らずか、(たぶん知ってて)茜ちゃんはニマニマと私をみんなの前に出そうとする。


「おーいみんな!白雪姫到着したよー!」





「え、白石!?え!?」


「うわ…!白石さんめっちゃかわいいじゃん!」


「えー!蕾ちゃん!?
かわいー!!」


「もともとほんわかしてるけど化粧するとまた印象変わるなぁ…」



みんなが準備している中、茜ちゃんの声に振り向いたみんなはワッと声を上げた。

そ、そんなに変わってるかなぁ……



「あ、聖ー!ちょっとこっち来てよ!」


ちょうど如月君も着替えが終わったところらしく、向こうにいたのを茜ちゃんが呼びとめる。



「………?蕾?」


「え、あ、う、はい……」


こちらまで来た如月君はじっと私の顔を見て……ぽつりと一言。


「可愛いじゃん。」


「!!!」

「!!!」


「なんで太陽まで驚いてんのよ。」


茜ちゃんの声はまるで届かない私は、如月君の天然発言に顔をボッと赤くした。
それに複雑な顔をした太陽くんには気づかぬまま。










そして、いよいよ………

『それでは、最初の劇は1-B組の「白雪と二人の王子様」です。』