「あぁーーー…頭くらくらする……」
「ご、ごめんなさい!!」
「んーいいよー……それより、今何時…?」
………もしかして、寝ぼけてる?
今だとろんとした目に、普段と違ってゆったりとした口調。
完全に寝起きだ。
ほんとにさっき熟睡してたんだ…。
「えっと、今は9時45分……」
「えっ!?!?
やっば茜に殺される!!!!」
私の一言で現在の状況を把握できたのか、バッと立ち上がる。
「やばいやばい、早く教室かえらないと!!
確か劇始まるの10時からだったよな!?」
「う、うん!」
こうして忙しく二人、教室に戻ったあと。
太陽くんは言っていた通りすでに着替え終わった茜ちゃんにこってり絞られ、太陽くんと如月くんと私はあわてて衣裳を着替えるために衣裳係の人に連行された。
そんな大慌ての中、先ほどのことはすっかり頭の外に追いやられてしまった。

