「魔女役なんだけど……」

ど、どうしよう……!?
手を上げようか上げまいか、考えていると。


「あ、それ私がやるー。」

「ん、茜で決定…でいいか?みんな。」

ケータイに向いていた視線を太陽くんに向け、あいている手を挙げている茜ちゃん。
それを見た太陽くんの質問にみんなも


「茜の魔女とかすんごい白雪に苛めてそうだよねー」

「鏡頭でかち割りそう」

「こえー!!」

「てかモロハマリじゃんっ」


「あんたら聞こえてんだけど?」


と、クラスのみんなは普通に楽しそうにうんうんと頷いていて。
………なぜか否定の声は出ない。

……と、いうことは………?


「じゃあ、白雪姫は蕾で決定。ってことで……」

「えっ!?!?」

「ん?」


とんでもないことを言い出した太陽くんに私は一目憚らず大声を出してしまった。
……が、そんなことはどうでもいい。



い、今、私が白雪姫って言った………?