「あ、ごめんごめん……。
ってそうじゃなくて!蕾、名前わからないんじゃ……って、あれ?」

「?」

「?」

慌てたように言葉をまくしたてる太陽くんに私は疑問符を浮かべる。
………すると太陽くんも疑問符を浮かべる。

「え、えっと………とりあえず。
なんで蕾名前知ってんの………?」

「覚えたから……?」

「あ、そ、そうなんだ……。
んじゃあ、大丈夫か……。」

「………?」

もうここにきて一か月たつし、それに何より、クラスのみんなの名前を知りたいと思っていた私に、茜ちゃんが丁寧に教えてくれて。
実際1週間ほどでみんなの名前は覚えた。…あと、先生と。


ひどくビックリしていた太陽くんだが、気を取り直したように、またみんなの方に向き直る。


「……あー…うん、また気を取り直して。
次は鏡役ー」


それから、順調に決まっていって、残す項目があと3つ。
………って!!!

書くのに忙しくて、衣裳係と小道具で手を上げるの忘れた……。
一人青ざめているのも知らずに、太陽くんはてきぱきと話を進める。

そこで、残っている項目を見てみると。

魔女、白雪姫、王子、………。